今日も無事に退勤しよう:教師の一日をゲームに、校事会議の下の教師の声

「今日も無事に退勤しよう。」教師の日常にこの言葉を置くと、少しユーモラスで、少し重く響きます。

今回紹介する台湾のAI作品は『今日も無事に退勤しよう(今天也要平安下班)』。作者は辛巴王(シンバ・ワン)さんで、Claude Taiwanのコミュニティで公開しました。朝の自習、授業、給食、放課後、そして退勤まで、教師の一日を学校ゲームに仕立てています。

『今日も無事に退勤しよう』のゲームトップ画面

ゲームのトップ画面。作品画面のスクリーンショット、2026-10-09。画面内の数字や説明は作品の内容です。

プレイヤーは画面をドラッグし、指示に従って次の場所へ向かいます。警備室、校長室、運動場が地図に並び、朝の自習の最初の目標は自分のクラスにたどり着くことです。

学校の地図の中で教室へ向かう教師キャラクター

学校マップの画面。時刻、一日のスケジュール、現在のミッションが表示されます。作品画面のスクリーンショット、2026-10-09。

別の画面では、休み時間に教室で受付を開き、生徒に飲み物をおごります。ところがその後に現れるのは、赤い大きな文字の「校事会議」(台湾の学校に置かれ、教師への通報や苦情を扱う委員会)。何気ない学校の一コマを、通報されるプレッシャーへとつなげています。

ゲーム内で通報の結果を赤い「校事会議」の文字で表示する画面

ゲームは「校事会議」の文字で、教師が通報されるプレッシャーを表現しています。事例、数字、コメントは原作の画面内容です。出典:辛巴王(シンバ・ワン)『今日も無事に退勤しよう』、2026-10-09。

校事会議は、なぜ教師の反発を招いているのか

作品の背景にあるのは、教育現場で議論されている「校事会議」の問題です。この仕組みは、教師が通報された案件を扱います。近年、一部の教師団体が廃止や大幅な改革を求めています。通常の授業、指導、保護者との意思疎通をめぐる争いが正式な調査に入ると、手続きの長期化や心理的負担を招き、「やらなければ苦情を受けにくい」という防衛的な教育につながりかねない、というのが懸念です。全国教師会連合会(全教總)も、悪意のある、あるいは繰り返される苦情に対処する仕組みをつくり、教師が専門的な支援を受けられるようにすべきだと主張しています。全教總の説明

私たちは、校事会議の最大の問題は、制度が最初から教師の専門性への不信の上に成り立っていることだと考えます。教師団体の批判では、調査の手続きによって、教師はまず非があると見なされ、そのうえで自ら潔白を証明しなければならないような重圧を受けるとされています。学校の調査が教師の労働権に関わる以上、教師が負う結果は、校内の一会議をはるかに超えます。

匿名の通報をやめれば、プレッシャーは消えるのか

匿名の通報も、この制度が以前から疑問視されてきた点のひとつです。匿名の通報は受理しないという規定になっても、1999(市民向け相談ダイヤル)や市長へのメールボックスといった陳情の窓口が学校の調査とどうつながるのかは、明確にしておく必要があります。ある弁護士の実務解説には、1999への通報を受けて校事会議の調査面談を行うという通知を教師が受け取った例が挙げられています。すべての匿名の陳情がそのまま事案になるわけではありませんが、「匿名」の二文字を変えるだけでは教師の直面する問題が解決したことにはならない、とも言えます。弁護士による実務解説

性別に関わる事案、いじめ、体罰、その他の重大な違反には、もともと関連する法律と手続きがあります。問われるべきは、通常の授業、指導、保護者との意思疎通をめぐる争いまで正式な調査に巻き込まれるとき、校事会議はどんな必要な空白を埋めているのか、という点です。事案ごとの手続きにはそれぞれの範囲があり、互いにつながることもあります。しかし、それは小さな案件を大ごとにしたり、繰り返し調査したりする理由にはなりません。

教師の一言一行が拡大して検証されるとき、校事会議は教育現場の大規模な被災地となり、さらには悪貨が良貨を駆逐する一因にもなりかねません。

教師が授業に力を注ぐ代わりに、苦情を避けることに力を使うようになれば、制度は、責任を引き受けて真剣に指導する教師を、一歩ずつ現場から遠ざけてしまうかもしれません。

この問題はいまも動いています。教育部(日本の文部科学省にあたる台湾の機関)は2026年10月7日に修正を公表し、明らかに合理的な指導である案件や、法令上処罰されない案件は終結させると定め、通常の勤務評定にあたる案件で外部の調査員を委嘱する条件を絞りました。教育部の最新発表

公視のインタビュー:校事会議の存廃、次の一手は

台湾公共テレビ(公視)の番組『獨立特派員』が教育現場に入り、校事会議の調査をめぐる争いと、制度を残すか廃止するかの議論を追いました。取材に答えた人たちの声に触れると、ゲームの中のプレッシャーがより具体的な姿を帯びてきます。

動画の出典:公視『獨立特派員』第969回、2026年9月9日放送。公視の元動画ページ

原作をチェック

- 『今日も無事に退勤しよう』ゲーム
- 作者 辛巴王(シンバ・ワン)
- 作者によるClaude Taiwanでの作品投稿

文|谷以文、大衛AI小學堂。中国語の原文:台灣尚青|辛巴王《今天也要平安下班》:看見校事會議下的教師心聲

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